異国の地で生活したこの10カ月は、何をしても中途半端な自分にやり遂げたという満足感と達成感を、そして様々な体験は塞ぎ込みがちだった自分の世界に対する視野を大きく広げてくれました。辛い時や悩んだ時もありましたが、それらは留学したからこそ学べたものだったと今確信をしています。
日本からアメリカへ。日本を発ちロサンゼルスで飛行機を乗り換える時、僕は時間を間違え国内線の飛行機を逃がしてしまいました。深夜のロサンゼルスの空港のロビーで一人次の飛行機を待っている時、初めて自分は何も知らない国に一人で踏み入り、孤独だと思いました。不安が高まり、来なければよかった、帰りたい、とも正直思いました。
無事到着しましたが、次の日に面談に来たカウンセラーJenie Leeさんとも上手く自分の言いたいことを英語にすることが出来ず、何度もWhat did you mean? Can you say that again? と繰り返され、すっかり自分の英語に対する自信を失ってしまいました。ホストファミリーとの会話も弾まず大変な思いをしました。
以前アメリカへの留学生だった父が僕に何度も言っていたのが“英語は何かをきっかけに突然ぐんと話せるようになる。そのきっかけを見つけることが大切だ”ということでした。
僕にとってそのきっかけが野球でした。部活でチームに所属することで必然的にチームメイトとコミュニケーションを取ったり、試合中に声を掛け合ったりと、絶えず英語を話す環境に入り浸ることが出来ました。試合中の会話は、頭のなかで英語から日本語、日本語から英語へと変換している暇などなく、常に英語で物事を考える良い訓練になりました。
英語をペラペラ喋れるようになるには、語彙や英語の勉強ができる能力ももちろん大切ですが、一番大切なのは日本語を頭の中から排除することだったと、僕は身を持って体感しました。
僕がこの留学でこれだけたくさんの経験が出来たのは、家族、ホストファミリー、カウンセラー、友人、そしてWYSすべてに恵まれていたからだと思っています。 皆さんのおかげで僕は何一つ迷うことなく、この留学を素晴らしいものにして終えられたと思っています。有難うございました。