どの国の子とも自然体で接する
▼野村元宏さん、淑子さん (山口県在住)
【リード】
2005年から始まり6年間にわたり4人の留学生のホストファミリーをされた野村さんご夫妻。
「それぞれ個性があって、良い子たちだった」と当時を振り返りながら語るご夫妻に、「ホストファミリーとして」お話をうかがった。
きっかけは、ホストファミリーをお願いできないか、という依頼から
最初の依頼は一度断ったが、長い話し合いの結果、受けてみようということに。「しょうがないなぁ…」という気持ちでした。
受け入れたのは全部で4人。国籍もばらばら。受け入れるにあたり、特別に準備はしませんでした。そのままでいいって言われたので。それぞれ個性があり、みんな印象深い。全員手がかかった。
一番最後に受け入れたメキシコ人留学生のビクトルは、ド真面目で、わがままに育ってきたという感じの子。でも悪い所はないよ。
留学生と接していると、日本人とは違うな、まだ子供なんだなという瞬間はたくさんあった。今になれば、あぁ、そんなものだと思うけど、とにかく意思が強かった。なかなか人の意見を聞き入れなかったな。ちゃんとしていたけど、シャイで気持ちを全部出さない所があったね。
コミュニケーションですか? 携帯メールと手紙。普段の生活の中でメールをすれば、自然に日本語覚えるじゃない。 あと、置き手紙ですね。出かける時など、書き合い、間違っている所は直したりしました。 言葉がわからない時は辞書を使ったりして、大きな勘違いもなかったです。
留学生の性格によっても、日本語の上達や表現力などに差がありました。あいづちを打つからわかったのかと思うとわかっていなかったり、腹が立つことも多かったけど、楽しかったよ。
ルール
始めに、「駄目なこと」、「私達のルール」を全部伝えました。PCのことや挨拶。とくにいなかはみんな知り合いだから、会った人全てと挨拶をしなさいと。それはしっかり守っていたな。PCはぜんぜん守っていなかったけど。 あとは空手かな。頑張っていたね。でも昇段試験があって、その時緊張しすぎて、型を忘れてしまった。肝心な時にできなくて。メキシコで空手も日本語も続けているようです。
注意の仕方
ただずばっと、「だめ」って。「やめろ」、と。装飾する言葉は使いませんでした。直接的に、お互いね。
自然と溶け込んでいて、家族のようだった。ありがとうとかいちいち言わなかったな。日本でも、両親にそんなん言わんでしょ。
お手伝いは、おはしを並べたり、食事を運んだりしていました。自分の部屋のそうじはしていたけど、自分から進んでは…。おぼっちゃんだったからね。
受け入れる心構え
困ったことはなかったかな。違って当然、すべてを見せて自然体で接したから、こんなものだろう、と思っていた。
受け入れをしてよかったこと
あっちこっち行ったことかな。あとは、メキシコやそれぞれの国についてたくさん知ることができた。
一番とまどったことは、お肌(ニキビ)のケアかね。そのお手入れの時間も含めて出かける時間を計算しないといけなかった。でも、すごくきれいになったでしょ。
面白いエピソード
シャイで温泉を嫌がっていたビクトルだったけど、帰るまでにはすっかり大好きに変わり、お父さんとも裸のお付き合いができるようになったことかな。
一番大切なこと
ファミリーのバランスを保つこと―平等に愛を注ぐこと。子供は敏感だから、そういう所には気を使うかな。 今でも留学生たちと交流が続くのは楽しいよね。日本にまた帰ってきてくれたり、スカイプで話したり。
他のホストファミリーへのアドバイス
自然体だよ。無理をしないで。日本のことを教えてあげたいというだけ。そうすれば、いろいろな壁も越えられるし。お互いに興味を持つことは大事だね。